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日向シーサイドモータースクールの鍵

実際に乗ってみても、その印象は外観が与える印象どおり、やはりたいしたものではない。
ところが、それがメルツェデスのスマートやAクラス、あるいは新しいフィアットのチンクエチェントなど、斬新なスタイルを与えられたクルマになると、いざ乗ってみると、やはりちょっと買おうかなという気にさせるものをもっているのだ。 それはクルマという商品のきわめて大事なところであって、ロゴに最も欠けているものである。
ロゴのオートマチックにはUH(無段階変速器)がある。 このCVTはさすがによく出来ているが、しかし、それ以外、このクルマに見るべきところはない。
ロゴに乗ると、なんだか10年ぐらい昔のブルーバードあたりに乗っているような感じがする。 近頃のホンダの「スモール・イズ・スマート」路線の代表が、このロゴだというのなら、ちょっと情けないような気がする。
地味な室内、地味なボディ、そこそこの走り。 ロゴに私のような年配者が乗っていると、なんだか、そこはかとなくみじめな気持ちになってくるのではなかろうか。
ところが銀色にオレンジ色のツートーンのスマートなどに乗っていると、「どうだ、オレもまだまだ若いんだぜ」と、華やいだ気分になるのではないか。 クルマという商品は、そこのところが大事である。
ロゴにはその最も大事な華がない。 私は、今年の秋、メルツエデスAクラスの試乗会でベルギー経由でパリ、行ったが、バンドーム広場にAを停めると、あっというまに人だかりができ、「何馬力なのか」「ちょっと乗せてくれ」などと、人々から質問の山を浴びせられた。

私はAクラスを自分で作ったわけでもないのに、なんだかうれしくなってしまった。 日本のトヨタ、日産、ホンダといったメーカーは、そういうAクラスやスマートのひしひしと迫る圧力を感じ取って、素晴らしい小型車を作ってもらいたい。
しかし、いまのロゴでは、とてもそういうわけにはいかない。 マーチが本格的なベーシックカーだとすると、ロゴはチョチョイのチョイで作られた、お手軽グルマだ。
ホンダはお手軽グルマを作るのが得意だが、いまやユーザーも目が肥えてきており、そうしたクルマがマーケットでヒットする可能性はほとんどなくなってきている。 ホンダは21世紀を生き残っていくためには、そうした安易なクルマをなるべく出さないようにするガマンが必要だろう。
年産50万台という世界トップクラスの量産車だ。 このクルマに匹敵する量産車があるとすれば、それはVWゴルフぐらいのものだ。
日本でもスプリンターと合わせると、月に2万台を売っているベストセラーカーである。 現在のカローラ/スプリンターは、95年にフルモデルチェンジされ、まだ2年しかたっていない。
しかしトヨタは、もうカローラはこのクラスの大衆車としては古くなったと判断して、現在計画中の世界戦略車を、カローラにとって代える決断を下している。 この決断の早さが、日産とトヨタの違うところでもある。
派生車種として、マリノ/セレスと称するカリーナEDルックの、ごく背の低い4ドアハードトップ。 このうち、まっ先に車種整理されるのは、兄貴ぶんのカリーナEDが消されたところからみて、おそらくマリノ/セレスあたりではなかろうか。
マリノ/セレスは、トヨタにしてみれば、ともかくよく稼がせてもらったクルマだが、もはや月に数百台程度しか売れていない。 やたら屋根が低く、キャビンが狭いだけのこの種のクルマは、さすがに日本のユーザーも、昨今は敬遠するようになってきた。
また、そうしたこれまでの「スポーツカー的」なスタイルのクルマを、あんまりカッコいいと感じなくなってきているのだ。 ただトヨタの泣きどころはエンジンで、とくに燃焼に関する解析技術がまだ十分でないらしい。

そこのあたりがトヨタが一番最初にハイブリッドカーに手を挙げた理由でもあるのだろう。 カローラは十分な生産量があるから、現在のモデルであと2〜3年は引っ張ることになる。
ただ、もはやこのクラスの主流は、カローラ・スパシオ、ラウムといった、ミニヴァン・コンセプトのクルマに移りつつある。 ミニヴァン・コンセプトというアイディアは、これまでのクルマのスペースの問題を一挙に解決してしまった。
となると次のカローラは、いったいどんなクルマになるのだろうか。 私はそろそろ日本から、新しいクルマの提案が出てきてもいいのではないかと考えている。
現在、日本のクルマユーザーの大半は、心底4ドアセダンがいいと思っているようだが、それは後席に人を乗せる場合を考えてのことだ。 しかし、ある調査によると、いまの日本のクルマは平均1・5人かられるのは2ドアクーペあたりなのだが、どういうわけか、日本では2ドアクーペには拒否反応がきわめて強い。
クライスラーのデザイン担当副社長Tと社長Bは、最近、記者会見のなかで、クルマにとってマーケットリサーチは何の意味も持たないと語っている。 なぜなら、そこにあるのは昨日から過去にかけてのデータでしかないからだという。
われわれが作るのは、今日のクルマではなく明日のクルマだというのである。 私も、それはまったく正解だと思う。

次のカローラに、トヨタがいったいどんな考えを捷案してくるのか、きわめて興味深いところである。 日本のモータリゼーションの幕開けとなったクルマだ。
カローラと激しく覇を競い、その後、何度ものモデルチェンジを経てFF化され、現在に至り、ごくごくオーソドックスな3ボックスのファミリーカーである。 パルサーは日産初のFF車、チェリーを始祖とするFF2ボックスカーとしてスタートしたが、これも何度ものモデルチェンジを経て、度重なる生産の合理化により、いまではサニーとスキンのみが異なる、中身はまったく同じクルマとあいなった。
3ボックスのみのサニーに対して、こちらは3/5ドアハッチバックボディも持つ。 ルキノはこのサニー/パルサーの兄弟で、かたやサニーのボディパネルを使った、2ドアのルキノクーペ、もういっぽうにはパルサーの3/5ドアボディを使ったハッチバックを持っている。
プレセアは、これまたサニーのフロアパネルの上に、エンジンを無理やり載せて成立させた、旧カリーナEDルックの4ドアハードトップ。 ウィングロードはサニー/パルサーのコンポーネンツを使ってつくられた小型ワゴンだ。
要するにこれらの日産車は、名前と販売店以外は、どれもこれも皆同じクルマである。 あえてハード上の相違を探すとすれば、エンジン、シャシーコンポーネンツの組み合わせ方と、そのスキンが違うということだけなのである。
最近、フェイスリフトが加えられて、なにやらグロリアのようなお面を与えられた。 日本のモータリゼーションを引っ張ってきたとても重要なクルマだが、いまとなってはさすがにいろいろな意味で旧くなってしまった。
これはカロープも同様だが、いまやサニーは、あまりクルマにお金をかけたくないお年寄りが、淡々と、かつ実用的に乗るクルマだと考えるとわかりやすい。 小型車としてあっと驚くような新しい思想やアイディアは何もないが、保守的なお年寄りが抱いている「これがクルマだ」という常識を裏切ることもない。
お年寄りにとって、そこそこ乗りやすく、現代のクルマとしての安全もそこそこある。 すべてそこそこなのである。

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